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「懐かしの鏡泊湖畔 ーー中国残留婦人の手記」は著者の平尾ヒサエが中国での体験から書かれた回想録である。

 著者の生活が大きく動き始めたのは、戦争が終わってからである。ソ連軍の進入に伴い開拓団の部落を避難した。父と離れ離れになり難民所に送られるが、その難民所も、冬を過ごすのが不可能だという理由で閉鎖される。日本国から「完全に捨てられる」状態で、「父の帰りを待つため」元いた鏡泊湖畔に戻ることになる。しかし実はその頃には、父親はすでにこの世にいなかったのだ。

 鏡泊湖では「生活に苦しむ人」から順に「生き残るため仕方なく」中国人と結婚していった。著者も同じだった。それは「極貧の生活」であり、相手の事情で「幸福な家庭ができる筈はなかった」。その後何回か帰国のチャンスはあったが踏み切れなかったのは、子供たちや年老いた義母がいたからだった。家族の生活は著者の労働にかかっていたのだ。

    このような運命に著者は真正面から立ち向かい、生きた。その姿が、読者の胸を熱くする。

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